医療的ケアとは?
医療「的」ケア。
コトバンクからの引用になりますが
家族や看護師が日常的に行っている経管栄養注入やたんの吸引などの医療行為のこと。医療的な生活援助行為を、医師による治療行為と区別するために、介護や教育などの現場で定着してきた経緯がある。
~的って、この的って若者言葉の印象ですが、日本国大辞典によると
「そのような性質を持ったものの意を添える」
ということなので、まさにその通りの表現だな、と感じるところです。
そして反対に、学校看護師としてケアに当たっていくに於いて、はじめのうちにこの「的」という壁にぶつかります。
医療的ケアは"家族"や"看護師"が行っているのですが
家族は日常生活行為として行っている側面が強く、看護師は医療行為として行っている側面が強いのではないでしょうか?
一例ですが、
注入ボトル。
画像お借りしてます。ありがとうございます。
家族→食器と一緒だしあんまり汚れてないので、ボトルをちゃぷちゃぷ濯いでチューブに水を通す。
看護師→ボトル内を丁寧に洗い、ボトル及びチューブ内に0.0125%の次亜塩素酸ナトリ ウムを通し1時間以上つける。使用時には水気を払いそのまま使用。
(゚ロ゚;)エェッ!?
どっちでも、いいんちゃう?っていう方、すてき♡
どっちでもいいと思うんです。いいと思えるようになりました。
でも、当初この仕事に就いたばかりはそう思えない看護師でした。
清潔に、安全に、感染を起こしたら大変!
わたし、看護学校で医療的ケアという単語を聞いたことありません。
免許取って20年になるので当たり前ですが、病院勤務やめて、この仕事に就くとき、
訪問看護師(当時は当然のことながらケア対象は老人だけ)と悩みました。
収入面でも訪看さんのほうがよかったし、そもそも医ケアってなによ?なわけで。
それでも、ご縁があったんですね。
10年続けてますから。
話がそれました。
「的」の壁でしたね。
ご老人宅に訪問看護をしていた友人が話してくれたんですが、先ほどの注入ボトル、友人と別の看護師に言われて、奥様が消毒することを始めたそうです。
ところが、衣類用の漂白剤で消毒されていたそうで…お洗濯の優しい香りのボトルに。
利用者さまの体調に変わりはなかったそうですが、それ以前にも特に体調を崩されたこともなかったそう。
医療サイドの押し付けだよね、って友人は話していました。
そうはいっても、指導した看護師、身に着けてきたことを「よかれ」と思ってお伝えしたんだと思います。
ただ、医療的ケアは、日常生活なんですよね。
自分の生活に当てはめてみても、水筒のパッキンを外して洗うわたしと中だけちゃぷちゃぷ濯いでまたお茶を入れていく家族。
わたしは時々パッキンを漂白剤につけますが、同僚の中には毎回漂白する人もいる。
みんな、おいしくお茶をいただいています。
わたしの壁は、そんなところから少しづつ、崩れました。